■ピグマリオン

作:G・B・ショウ,演出:宮田慶子,出演:石原さとみ,平丘大
新国立劇場・中劇場,2013.11.13-12.1
A・アスキス監督映画の記憶が薄かったので心配だったが予想以上の面白い舞台だった。 しかし日本人が階級社会の言葉を翻訳して観る面白さは、イギリス人が英語の科白で観る面白さとは違うものである。
イライザの喋り方には東北弁?が少し混じっていた。 地方訛りなどを取り入れるしかない? 結局はイギリス人がこの芝居を観て感じる心の動きを想像できない。 もし日本語の脚本を書くなら井上ひさしかな?と考えながら観ていたが・・。
それでもこの芝居の面白さは、ヒギンズやイライザの好演、階級の壁を難なく飛び越えてしまう父、言語学からみた男女の限界を問う母など、他者への鋭い観察や行動である。 終幕の二人の対話場面は引き締まっていたし、ヒギンズの存在感はピカイチ!
白い部屋の舞台美術は漫画キッチュだが人物像が綺麗に映えて物語にメリハリを付けていたのも中々であった。
*劇場サイト、http://www.atre.jp/13pygmalion/