■ノーラ

演出:小野寺修二,出演:カンパニーデラシネラ
あうるすぽっと,2013.12.7-8
芝居の中のダンスは成功すればとても効果があるの。 この逆も然り。 台詞が多いこの舞台はダンスが言葉の意味に飲み込まれてしまった。 ダンスも芝居もどっちづかずという感じに陥ってしまった。
男のダンサーが5人。 ノーラは透明人間なの?、次に机、最後に5人の中の一人が担当するけど新鮮味が無い。 最初から一つで通したほうが物語の統一感ができたはずよ。
でもストーリーが原作に近いから身体も科白も省略するしか無い。 省略しても言葉が引っかかってダンスは彷徨うばかり。 この彷徨が即興にみえてしまった。 ひょっとして即興だったの?
細かいけど手紙の扱い方が面白かった。 椅子を組み立ててポストにしたり、壁に書いた字が後で手紙だったりして、ここはいつもの冴えが発揮できた。 そして川口隆夫は科白を身体で消化していた。 でも台詞の多いダンスは難問ね。
*第2回現代イプセン演劇祭参加作品