■真夜中の弥次さん喜多さん

原作:しりあがり寿,脚本・演出:天野天街,出演:小熊ヒデジ,寺十吾,企画・制作:KUDAN PROJECT
こまばアゴラ劇場,2013.9.27-10.6
日本人の死とはどういうものか?を追求しているようにみえた。 江戸時代の旅は初めから片道切符だ。 「過去と未来」も「現実と幻想」もこれに集約していく。  そして少年王者館得意の円環の流れも輪廻転生の一片を感じさせる。
漫才を元に肉付けを施したような舞台である。 前半は身体の動きとセリフと小道具のすべてが同期していて心地よかった。 途中テンポが遅くなる。 これで漫才としての倦怠感が出てしまった。 この演出家は強いメッセージを観客に送らないので、リズム感がなくなると余計に崩れた感じになる。 後半はまた持ち直したが、小道具が大きくなればなるほど原作が漫画である欠点を大きくしてしまう。 手がスルメや箒ならまだしも、腕の伸びすぎ等はもはや漫画である。 それでも役者二人は熱演であった。 名古屋のパワーが溢れていた。