■毛皮のマリー

作:寺山修司,演出:森崎偏陸,出演:野口和彦,山谷初男,劇団:青蛾館
中野テアトルBONBON,2013.10.2-6
照明が単純で明るすぎて現実をそのまま舞台に登らせたようです。 でも5人の美女の亡霊登場から俄然調子がでてきました。 そして名もない水夫に欣也とその母親の過去を語るマリーはクライマックスですね。 男性だけでギコチナサもありましたが、美しくそして悲しい男娼物語が現前していました。 ミケランジェロの絵は不要です。 これに代わる役者がいるのですから。
前回*1がハイボールなら今回はストレートの味がします。 前者が寺山修司の肉を演じたとすればこれは骨です。 まとめて二本観たことで「毛皮のマリー」の異形の面白さと寺山の言葉が肉を通して骨まで届きました。
*劇団サイト、http://www.seigakan.jp/marie.html