■エドワード二世

作:クリストファ・マーロウ,演出:森新太郎,出演:柄本祐,中村中
新国立劇場・THEPIT,2013.10-8-27
幕が有ると和みます。 舞台3方が金色の壁で中央奥に大きな出入口。 なにも無い空間ですが緊張感があります。 前面に上手から下手までの通路があり幕が降りても役者が演技ができる構造です。 移動できる玉座もより金色で階段のように高い!
歴史劇はシェイクスピアもそうですがリズミカルなテンポが必須です。 この舞台にはそれが有ります。 素晴らしい。 エドワード二世もこれに答えています。 喋り方動き方はまるで道化のように軽やかです。 野村萬斎の若い時に似ていますね。 貴族たちの鈍い重さとの対比が面白い。 王妃もしっかりした喋りと動きを持っています。 演出家の隅々までの気配りが気持ち良いですね。
マーロウの芝居はまるで歴史です。 つまり終わりが無いということです。 淡々と進みます。 死んでいくものは順番を待っているようです。 当時の人々なら王の肛門に焼けた鉄棒を挿入する場面などに衝撃を受ける人もいるでしょう。 しかし現代人の我々だと面白い歴史書を読んだ感じです。 しかしこれはリズム有る歴史劇として成功している証です。
*劇場サイト、http://www.atre.jp/13edward/