■エゴ・サーチ

作・演出:鴻上尚史,出演:虚構の劇団
あうるすぽっと,2013.10.5-20
洗練されてますね。 階段の形や色、背景の映像、衣装のどれを取ってもそうみえます。 役者もムリムダムラがありません。 さっぱり感とでもいうのでしょうか。 一つの形を持っている劇団です。
素人作家の生活世界と今書いている小説世界が繋がっているというストーリーも面白い。 沖縄の歴史や若者の労働環境、インターネットなどなど現代の問題も描きこんでいます。 沖縄料理を思い出しながら、路上いや舞台ライブの「骨なしチキン」を聞きながら観れるなんてサービスが行き届いています。 仕事は納期だ!と言われて現実に戻されもします。
そして若者の不安や喜びがこの洗練さの背後に広がっています。 役者たちの魅力も十分です。 20代前後の女性客が多かった理由でしょうか? でも何かが足りません。 というか余力があるのに一線を越えないのです。 一つの時代が熟成した時に現れる芝居です。 具体的に言うと、公務員がキチッと仕事をしたような後味がします。
*虚構の劇団第9回公演