■本物の西部-TRUE WEST-

作:サム.シェパード,演出:スコット.エリオット
世田谷パブリックシアター,2013.9.29-10.13
また騙されたわ。 本物の西部なんか出てきやしない。 「パリ・テキサス」もそうだった。 パリなんか出てこなかったもんね。 パリテキはヴェンダースに会いにいったのだからしょうがない。 しかし本物の西部とは何かと問われてもガンマンしか思い浮かばないの。 今の日本で本物の武士を見たいと言っているようなものね。
前半の兄の弟への突っ込みはわざとらしい。 後半、弟の考えや行動が兄に似てきた原因がよくわからない。 この不連続でちょっとシラケてしまったわ。 台所用品をぶちまけたり酒を呷る場面はよーくわかる。 去勢されたカーボーイ兄弟が酒場で喧嘩をしているようだし、母の態度も喧嘩に動じず実に西部的だった。 しかし母の台詞もなにか変ね。 ピカソも飛躍しすぎだわ。
これを書いている今でも、散らかった台所で兄弟が酒と煙草を飲んでいる場面しか思い出せないの。 この場面こそシェパードのTRUE WESTなのね。