■シレンとラギ

作:中島かずき,演出:いのうえひでのり,出演:藤原竜也,永作博美,劇団☆新感線
新宿バルト9,2013.10.5-(2013.10.5収録)
ギリシャ神話、預言者、忍者くノ一、新興宗教、南北朝時代、化学兵器・・。 神話・歴史・物語・科学などから骨組を抽出・結合・肉付けしてあるので表面の流れが複雑です。 人椅子や人イヌなども漫画・SFですね。 ともかく凄い!
オイディプス神話以外の人間関係を漫画的に表現しています。 王と家臣、教祖と信者、武士の棟梁同士などです。 これが全体の印象を決定付けている。 しかしオイディプスとマンガチックを混ぜ合わせた舞台は咬み合っていません。 面白いのですが感動が分散されてしまった。 父母子の劇的関係がマンガ的雑音で薄れてしまったのです。
前半終わりにシレンとラギの関係が明かされます。 このため後半は緩みが生じ流れが澱みました。 20分くらい削ぎ落としたほうがスッキリしたのではないでしょうか。 シレンの泣いたような笑顔で喋る科白は舞台に独特の雰囲気を出していました。
*ゲキXシネ作品