■雨の街

作:宮森さつき,演出:多田淳之介,出演:二騎の会
こまばアゴラ劇場,2013.5.10-19
女の家は子宮なのか? なぜ旅人は登場人物たちの関係を気にするのか? でも男は家にも関係性にも深入りしません。 男は女に一緒に逃げようと言います。 結局男は女や旅人とは最後まで打ち解けなかった・・。
商人の解説ですが最初は劇場からの事務メッセージだと勘違いしてしまいました。 異化効果というより舞台の流れに合いません。 SFを導入している為かいつもの青年団風とは違うからです。 また見知らぬ空間にワープしてきたとか持ち時間がなくなると消えてしまうとか・・、これもSFを安易に使っています。 時間=貨幣論も突飛です。 これらは壁に突き当たった時に已むを得ず採用する材料です。 作者は創作に苦しんでいるのでは? 芝居も肝心なところがぼやけています。
雨の音は雑音のように舞台を支配していました。 落ち着かない音ですが面白い効果です。 中央にダイニングテーブルと椅子が4つ。 周囲にある35席の客席はゆったりしていてとてもリッチでした。 いつものアゴラ劇場とは一味違ってみえました。