■LAND→SCAPE・海を眺望→街を展望

作・演出:藤田貴大,出演:マームとジプシ
あうるすぽっと,2013.3.8-10
小倉の風景を話題にしています。 でもどこかの地方都市のどこにでもある話です。 大都会へ行く人残る人の出会いと別れの話ですから。 科白と身体の反復でリズムを生成させてどこにでもある物語を渦巻状に進めながら感動へと導きます。 チラシにはリフレインとありましたが素晴らしい方法です。
今回は四方が観客席でした。 この形は対角線に動きまわる役者にとって演じ易いはずです。 しかし男優の何人かは声が枯れていて後ろ向きの科白が聞き難い場面が多々ありました。 この劇団は動きが激しいため怒鳴るような喋り方に陥ります。 体力増強と一層の発声訓練が必要ですね。
終幕に兄の事故死と妻の病死が次第に明らかにされます。 二人の死の説明のリフレイン後、つまり音楽・照明そして役者が歩き回る激しい場面で、幕を閉じてもよかったのではないでしょうか? 事故死や病死の重いリフレインは苦しさを通り越して無感動に向かってしまいます。 幕の降ろし方が20分遅かったためシラケてしまったようです。