■一方向

演出:真壁茂夫,出演:OM-2
日暮里サニーホール,2013.3.23-24
円形の客席。 はじめに一人のダンサーが電球を持って激しく踊り出す。 そして天井から円筒に繋がった障子?が降りてくる。 円筒に写った顔は資本主義に抗う科白を吐く。 そして円筒は分解する。 そこには二人の役者が入った大きな風船がある。
風船に入ったまま二人はアウシュヴィッツの話をする。 次に建築現場のような構造物が舞台に登場する。 男女の二人が身の回りの話を喋り始める。 最後に一人の男優が事務椅子を動かしながら独白めいた科白を言う。 このような流れだったとおもう(?)。
役者たちはとても苦しそうである。 激しい喋り方である。 観終わったら疲れてしまった。 これは舞台というより現実の世界で喚いているようだ。 つまり集会での演説やデモのシュプレヒコールに出会ったのと同じ感じのものである。 チラシにも「・・資本の流れという<一方向>に向かってしまう闘いを可視化し、・・まっとうに生きようとする人間の営みを舞台化・・」とある。 悲壮感一杯の舞台である。 ユーモアや笑いがあれば少しは<良い方向>に向かうはずだ。