■ルル

作:フランク・ヴェデキント,演出:シルヴィウ・プルカレーテ,出演:ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場
東京芸術劇場・プレイハウス内特設ステージ,2013.2.27-3.3
プレイハウス舞台上に馬蹄型観客席が造られているの。 席に勾配があるから大学の医学部実験室で学生が座って手術を見ている感じね。 芝居も外科手術のような内容だわ。 ルルの肉体は迫って来るし、肉片も飛び散るからよ。
しかも衣装や化粧がヨーロッパ演劇の遠いところからやって来たようにみえる。 これらのすべてが重ね合わさって、肉体と精神の分裂と結合を繰り返す物語が生まれるの。 そしてある種の眩暈が訪れる。 ルル役のポピもM・モンローを激しく堕落させたような女で素敵だった。 このような芝居は日本ではめったに出会えない。 野田秀樹が「演劇の原初のパワーに満ちた東欧の舞台・・」と言っていたけど当たりね。