■焼肉ドラゴン

■作・演出:鄭義信
■新国立劇場・小劇場,2011.2.7-20
■1970年頃の在日コリアンの生活の力強さ、戦争の傷跡をそのまま舞台に乗せて直球で勝負している芝居です。 加えて経済成長期の明暗の強さが一体となった激しさがある面白さを持っている。
三姉妹と息子の別れでひさしぶりに涙が止まりませんでした。 兄弟がたくさんいた時代の家族の繋がりや別れが懐かしく見えました。
戦争終結の時、日本人は「敗戦」ではなく「終戦」だと受け止めていることが芝居から見えてきます。 この差異の言葉である「責任」が時々顔を出します。 日本人は「責任」を忘れてはいませんが他人事のように想像してしまいます。
これが息子の死の原因にも繋がっている。 そして生活の苦楽が集約している息子の語りが芝居に一層深みを与えていました。
*NNTTドラマ2010シーズン作品
*劇場、http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000325_play.html