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■TIME

■音楽:坂本龍一,演出:高谷史郎,出演:田中泯,宮田まゆみ,石原淋 ■新国立劇場・中劇場,2024.3.28-4.14 ■中劇場は半年ぶりだが・・、何かが変わった!? 円形客席を180度まで拡張したようです。 吹っ切れた感じですね。 いままでは中途半端で落ち着かない劇場だった。 ただし今日の舞台は奥があるので両端の新客席は使用していない。 そして舞台に目を凝らすと最初はよく分からなかったが水が張ってある? ・・暗いなか、宮田まゆみが笙(しょう)を奏でながら舞台を横切っていく。 水や鐘の音が入り混じる。 田中泯が登場し・・蠢・き・回・る。 映像と朗読は彼本人を事前収録して舞台の演技と同期させていく。 田園や都市の風景も映し出す。 一つ目の話は死に際の女が彼に語り掛ける。 「死にます。 百年経ったら会いにきます」。 そして墓を掘り彼女を埋める。 二つ目の話では彼が旅の途中で夢を見る。 長い夢から覚めたが、「束の間の時だったのだ」。 再び彼は水の中で・・戯・れ・回・る。 百合の花が咲いた。 「百年経たのか」。 終幕、宮田まゆみが笙をふきながら再び水の上を横切っていく・・。 昨日観たジェフ・ミルズのブラック・ホールは空間を意識していたようだが今日の舞台は時間である。 音楽や映像そして二つの語りはとても練られていた。 田中泯も存在感があった。 統合された世界が出現していました。 物語が気になったので帰りにプログラムを購入する。 朗読された原作は「夢十夜」「邯鄲」「胡蝶の夢」。 ブログはここで終わりにしてプログラムの残りを読むことにします。 *パルコ劇場、 https://stage.parco.jp/program/time/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、高谷史郎 ・・ 検索結果は6舞台 .

■繻子の靴、四日間のスペイン芝居

■作:ポール・クローデル,翻訳・演出:渡邊守章,映像・美術:高谷史郎,照明:服部基,音楽:原摩利彦,衣装:萩野緑,出演:剣幸,吉見一豊,石井英明,阿部一徳,小田豊ほか ■静岡芸術劇場,2018.6.9-10 ■上演8時間の舞台はどのように作るのだろうか? 「譜面台を前に俳優が朗読する局面と実際に演技をする局面を組み合わせる」ことで可能にしたらしい。 演出家は朗読場面を「オラトリオ型」と呼んでいる。  段々畑に似た「三層舞台」も面白い。 舞台地上、2階、3階の3段床で役者は演技をする。 しかも3分割された正面壁に映像を映し出すことで役者と映像の一体化が隅々まで可能になる。 スペイン大航海時代らしく海や星、船が映しだされるので物語背景を楽しく描くことができる。 星々を見ていると昨年の「 子午線の祀り 」を思い出す。 ・・ナント野村萬斎も登場するではないか! でも映像ではシラケる。 芝居は4幕だがそれを四日間と言っている。 第一日目は「オラトリオ型」や「三層舞台」に戸惑ったが休息を挟んで二日目途中から物語に入り込むことができた。 スペインからアフリカへ、アメリカへ、そしてアジアへ、日本へ・・。 主人公ドニャ・プルエーズの先夫ドン・ペラージュは途中亡くなり後夫ドン・カミーユとドン・ロドリッグの三人に絞られていくのだが、地理的な広さを背景とした三角関係に想像が追いつかない。 アメリカへ行き戻るにも当時なら数年いや十年単位になる。 世界の広さ!、大航海時代の海と星と人生一生が混じり合うところに芝居の面白さがある。 広さが時間として積み重なっていきプルエーズとロドリッグの愛が大海原に溶けていく感覚が舞台に現れる。 終幕の四日目、ロドリッグにもその感覚が救済として訪れたのだろう。 *ポール・クローデル生誕150周年記念作品 *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/92262

■ST/LL

■総合ディレクション:高谷史郎,出演:鶴田真由,オリヴィエ・バルザリーニ,平井優子,薮内美佐子,音楽:坂本龍一ほか,照明:吉本有輝子,音響:濱哲史,グラフィック・デザイン:南琢也 ■新国立劇場・中劇場,2018.2.24-25 ■床には水が張り巡らされているの。 机の上にはワイングラスや金属皿、赤い林檎や黄色いメトロノームがみえる。 天井の移動カメラが背景のスクリーンに机上を映し出していく。 次に食器類を片づけてダンサーが机にのりそれをカメラが追う・・。 シャープな舞台ね。 映像とダンサーの寒暖関係が素晴らしい。 微妙にズレているようにもみえる。 西欧の物質観を感じさせる実験映画を観ているようだわ。 でも張った水を歩く女性ダンサーの動きに日常が見えてしまい緊張が崩れる。 たとえば机を動かす場面もね。 水の抵抗に負けているからよ。 後半ダンサーたちは舞台を動き回り始める。 背景映像も食器や書物の落下を挿入しながらダンサーと同期・非同期を繰り返していく。 オノマトペのような詩の朗読もあるの。 音楽は空白が多くて控えめだけどダンサーを引き立てていた。 そして再び机を使って静かに幕が下りる。 配られた解説に「・・相対性理論的、あるいは量子的世界観へ接近」と坂本龍一が書いているけどそれは感じる。 ダンサーと映像や映像間の微妙な揺れからもね。 水と油の相対論と量子論の融合かしら。 この二つの境界で生命体としてのダンサーが無関心を整いながら動き回っている。 深読みが必要な舞台だった。 カーテンコールで拍手が弱かったのも観客は楽しむ前に考えてしまったからよ。 *NNTTダンス2017シーズン作品 *劇場、 http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/33_009655.html

■IS YOUR TIME,設置音楽2

■感想は、「 IS YOUR TIME,設置音楽2 」坂本龍一with高谷史郎

■明るい部屋

■ 演出:高谷史郎 ■ 新国立劇場・小劇場,2012.12.7-9 ■ 北欧調の椅子やフロアライトが床にそして天井には大きなスクリーンのある無機質が漂う舞台です。 そして雑音のような映像と音楽、映像は世界の雲の動きや植物の枯葉、飛ぶような光の筋や数字の羅列が表示される。 役者たちはアナウンサーの真似事や傾いた机と椅子で本との戯れ日常生活の写真の説明場面だけが具体的な動きです。 この役者の単純な動作を見ながら音楽と映像に浸っていると恍惚感に入ることができる。 しかしこの恍惚も達成感がありません。 照明も悪くはありません。 この「・・・ありません」という半ば否定が舞台の特徴です。 R・バルトの同名作品は写真が与える存在を論じていたと記憶していました。 たぶん舞台との繋がりは半ば「ありません」。 *NNTTダンス2012シーズン作品 *劇場、 http://www.nntt.jac.go.jp/dance/20000629_dance.html

■CHROMA

■総合ディレクション:高谷史郎,音楽:S・F・ターナ,照明:吉本有輝子,メディア・オーサリング:古舘健,コンセプチュアル・コラボレーション:泊博雅,舞台監督:大鹿展明 ■新国立劇場・中劇場,2016.5.21-22 ■映像や音響・照明を含めた舞台美術が美しい。 前半は鳥や蛇や田圃風景を語り、古い製図用ドラフターを使って忘れかけた20世紀を思い出させてくれます。 ダンスは美術と同列に扱っている為か溶け込んでいて目立たない。 アリストテレス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ニュートン、ゲーテ、ヴィトゲンシュタインらの光学持論が読まれます。 後半はスペクトラムを含んだ映像やアラル海(?)の風景、イーゼルを持ち出しカンバスに照明を当てたりします。 このあたりは特に美しい。 ダンスはユーモアのあるパフォーマンスに代わるがやはり空間表現の一つとして演じているようです。 それにしても連続性がありません。 場面ごとの面白さはありますがこれを積み重ねていくことができない。 ここで前回の「 明るい部屋 」を思い出してしまった。 ロラン・バルトから光学へ話が広がった為エントロピーも増した舞台にみえる。 このエントロピーが「・・ここにある世界と生きる人間の負った傷」に繋がったかどうかが分かれ目です。 その境界線上で揺らいでいる作品です。 *NNTTダンス2015シーズン作品 *劇場、 https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_008649.html