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■アイーダ

■作曲:ジョゼッペ・ヴェルディ,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,演出:マイケル・メイヤー,出演:エンジェル・ブルー,ユデット・クタージ,ピュートル・ペチャワ他 ■東劇,2025.2.28-3.13(メトロポリタン歌劇場,2025.1.25収録) ■インディー・ジョーンズの世界が出現? 幕開きに目を疑ってしまった。 ファラオの世界を探検家と「アイーダ」を平行して描いていくようだ。 前者はエジプシャンブルーで空間を染めていて、これは気に入ったが、しかし観ていて物語への集中力が落ちる。 生舞台でない為とも言える。 しかも探検家がエジプト財宝を奪っていくような描き方をしている。 演出家は凝り過ぎてしまった。 探検家オギュスト・マリエットのことはともかく、重量級の舞台は始まりから飛ばしていく。 歌手も重量級が多い。 力強い空気が舞台隅々まで広がっていく。 何回観ても痺れる。 衣装も素晴らしい。 将軍ラダメス役ペチャワも角が取れてきた。 なかでも光っていたのは王女アムネリス役ユディット・クタージ。 インタビューで当役を60回近く歌ってきたと話していた。 演じなくてもアムネリスが舞台に出現していた。 エンジェル・ブルーもエチオピア王女が「地」で似合う。 都会と田舎の対決かな? ところで凱旋場面に動物たちは登場しなかった・・! よくあるのだが。 今回はダンスが中心に置かれている。 私は気に入ったが、これは賛否両論があるだろう。 そして終幕、地下牢でラダメスとアイーダは息を引き取る。 この終わり方はいつ観ても寂しい。 華麗で力強い前半とは対極にある。 もう少し捻ったストーリーにすればテンションが落ちないのだが。 ヴェルディは普仏戦争勃発で終わり方を書き急いだのかもしれない。 *METライブビューイング2024作品 *MET、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/6005/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、マイケル・メイヤー ・・ 検索結果は3舞台 .

■マーニー Marnie

■原作:ウィンストン.グレアム,作曲:ニコ.ミューリー,演出:マイケル.メイヤー,指揮:ロバート.スパーノ,出演:イザベル.レナード,クリストファー.モルトマン他 ■東劇,2018.1.18-24(MET,2018.11.10収録) ■事務手続きのような歌詞、機械的動きと速さある場面転換、単色系衣装の通勤服、・・この日常の形式優位な舞台に歌唱と演奏が被さるとテンポのある心地よさが伝わってくる。 A・ヒッチコック映画の欠点を取り除いた面白さがある。 映画では精神疾患のマーニーをいつも意識し、夫ラトランドの精神分析医のような演技に馴染み過ぎていた。 この舞台にはそれが無い。 マーニーの多重人格をロボットのように演じて形の面白さとして消化している。 鮮やかな単色衣装もそれに従っている。 彼女が4人の分身を引き連れているから尚更ね。 そして観客は少しずつ鼓動を速めていくの。 キツネ狩りや落馬場面はダンサーたちの動きが楽しい。 マーニーのトラウマとなっていた殺人理由も終幕の驚きね。 それは水兵ではなく弟だった、しかも・・。 マーニー役イゼベル・レナードは映画も観ていないとインタビューで答えていたがそれは正解よ。 演出家マイケル・メイヤーはショーン・コネリーの影響があると言っていた。 でも夫ラトランドがマーニーと結婚したい普通の男にみえたのは作品に落ち着きをもたらしていた。 内容が複雑なのでブロードウェイの知識・技術を取り入れたようだけどこれがMETの強みだわ。 作曲と演出が上手に統合できた成功例ともいえる。 舞台を観る前には想像できなかった。 映画に縛られていたのね。 すべてが想定外の面白さだった。 *METライブビューイング2018作品 *MET、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/855/

■グラウンデッド、翼を折られたパイロット

■作曲:ジャニーン・テソーリ,演出:マイケル・メイヤー,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,出演:エミリー・ダンジェロ,ベン・ブリス,カイル・ミラー他,演奏:MET管弦楽団 ■新宿ピカデリー,2024.12.13-19(メトロポリタン歌劇場,2024.10.19収録) ■ジャニーン・テソーリは歌手エミリー・ダンジェロの為にこの曲を書いたと言っている。 はたして主人公ジェスであるエミリーは完璧に嵌まっていましたね。 彼女の安定感ある声に痺れました。 しかもジャニーンは演劇作曲家からスタートしている。 その為かストーリーもリアルで申し分ない。 ・・ジェスは空軍パイロットで「トップガン」ならトム・クルーズでしょう。 彼女は牧場主と出会い女子を出産するが、空が忘れられない。 再び空軍の扉をたたくが、職場はドローン操縦部署へ。 しかし精神的に追い詰められ遂には職務を放棄し軍法裁判にかけられ有罪になってしまう・・。 上下に二分割した舞台構造です。 上が空=空軍=職場、下が地=牧場=家庭と言ってよい。 上では激しい照明や映像が観る者を戦場へ連れていく。 科白も生々しい。 戦闘がモロに出ている場面は賛否もあるはず。 下では家庭生活が描かれる。 ジェスは上下を行き来する。 シンプルかつ機能的で良くできた舞台です。 彼女が遠隔操縦するドローンはリーパーという機種で全長20m以上ありパイロットとセンサー員の2名で構成されている。 米国ラスベガスにある空軍基地で操作をしながら中東戦地の上空  1.5 万mを飛行しながら標的に向かってミサイルを発射する。 現代の戦争の一面が現れていました。 まるでゲームのように進んでいく。 登場するセンサー員は優秀なゲームプレーヤーのため空軍に引き抜かれたらしい。 しかしジェフは画面の中に子供を見つけてミサイルを発射できなかった。 彼女はゲームのような画像だけの世界から逃げたかった。 出産や子育の経験がある彼女こそ肉体が疼く古典的な戦争マシーンなのかもしれない。 「・・私は戦争!」。 ・・! *METライブビューイング2024シーズン作品 *MET、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/6007/

■2019年ライブビューイング・ベスト10

□ ワルキューレ   演出:キース.ウォーナー,歌団:ROHロイヤルオペラハウス □ マーニー   演出:マイケル.メイヤー,歌団:METメトロポリタン歌劇場 □ アドリアーナ・ルクヴルール   演出:デイヴィッド.マクヴィカー,歌団:METメトロポリタン歌劇場 □ リア王   演出:ジョナサン.マンビー,劇団:NTナショナルシアター □ 英国万歳   演出:ジョナサン.マンビー,劇団:NTナショナルシアター □ ピーター・グライムズ   演出:ウィリー.デッカー,歌団:NNTT新国立劇場 □ タウリスのイフィゲニア   演出:スチィーヴン.ワズワース,歌団:METメトロポリタン歌劇場 □ みんな我が子   演出:ジェレミー.ヘレン,劇団:NTナショナルシアター □ イヴの総て   演出:イヴォ.ヴァン.ホーヴェ,劇団:NTナショナルシアター □ くるみ割り人形   演出:熊川哲也,舞団:Kバレエ *並びは上演日順。 当ブログに書かれたライブビューイング(舞台を撮影して映画で上映)から選出。 ライブ以外の録画も含む。 *選出した劇団等に偏りがあるのは全ビューイング鑑賞数が少ない為。 2019年はBOL(ボリショイバレエ),シネマ歌舞伎,ゲキXシネ,宝塚,上記のK-BALLET,MET,NT,ROHなど約10プログラムが対象。

■2024年舞台映像ベスト10

*映像(映画・配信など)で観た舞台公演から最良の10本を選択. 並びは観賞日順. ■ 唐茄子屋、不思議国之若旦那   演出:宮藤官九郎,劇場:平成中村座 ■ アマゾンのフロレンシア   演出:メアリー・ジマーマン,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 ■ ロメオとジュリエット   演出:トマ・ジョリ,指揮:カルロ・リッツィ,劇場:パリ・オペラ座バスチーユ ■ かもめ   演出:レオニード・アニシモフ,劇団:東京ノーヴエイ・アート ■ ワーニャ   演出::サム・イェーツ,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ ザ・モーティヴ&ザ・キュー   演出:サム・メンデス,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ ナイ、国民保健サービスの父   演出:ルーファス・ノリス,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ 蛮幽鬼   演出:いのうえひでのり,出演:劇団☆新感線 ■ 魔弾の射手   演出:フィリップ・シュテルツル,指揮:エンリケ・マッツォーラ,主催:ブレゲンツ音楽祭2024 ■ グラウンデッド、翼を折られたパイロット     演出:マイケル・メイヤー,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 *今年の舞台は,「 2024年舞台ベスト10 」. *今年の能楽は,「 2024年能楽ベスト3 」. *今年の美術展は,「 2024年美術展ベスト10 」.