■踊る。遠野物語
■演出・振付・構成:森山開次,出演:石橋奨也,大久保沙耶,尾上眞秀,麿赤児,田中睦奥子,森山開次,舞団:Kバレエ,大駱駝艦,演奏・歌唱:中村明一,磯貝真紀,菊池マセ
■BeilliaHall,2025.12.26-28
■物語は、出撃前に許嫁を思いながら絶筆を残した特攻隊員の魂が遠野を彷徨い、彼岸と此岸の境界を飛び続けるというものだった。
舞台は驚きに満ちていた。 舞踏や、岩手県遠野に伝わる伝承をもとにした歌や踊りが入り混じり、独自の世界観をつくり上げているバレエ作品である。
最初は戸惑いながら観ていたが、次第にその世界に馴染んでいく感覚が心地よかった。 バレエと舞踏が融合していく様子が実に楽しい。 八百万の神々が舞台を導き、主人公の青年が飛行機のように舞台上を飛び回る。
これほど多様なジャンルを横断するバレエ作品は初めてかもしれない。 途中でストーリーがやや曖昧になったものの、遠野物語を絵巻を眺めているような豊かな時間を持てた。 終幕の鹿踊りは、あの世とこの世の境界を浄化するような力を感じさせた。
いつものダンスを観たという感動とは異なり、神々がもたらしてくれたような深い充足感を得ることができた。
*Kバレエ・オプト第3回作品
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