■PLANET(wanderer)

■振付:ダミアン・ジャレ,美術:名和晃平,音楽:ティム・ヘッカー, 照明:吉本有輝子,衣装:スルリ・レヒト,出演:ショーン・アハーン,エミリオス・アラボグル,湯浅永麻ほか
■東京芸術劇場・プレイハウス,2025.11.1-3
■・・銀色に輝く8人のダンサーが暗闇のなかを蠢くように動いていく。 彼らはゆっくりと身体を前後に揺らし、歩き、捩じり、くねらせる。 ノイズに近い信号のような音楽が流れ続けるが、途中には宗教的な響きを感じさせる旋律も挿入され、日本の雅楽のような音も聴こえてくる。 終幕、天井からドロドロした液体のようなものがダンサーに降りかかり、彼らの動きは静止する・・。 ・・!
ダンスというより美術作品に近い印象を受けた。 まるで動く彫刻のようだ。 ダミアン・ジャレの作品は今回は初めてだが、名和晃平の作品は何度か鑑賞している。 ジャレと名和の力関係は分からないが、今回の舞台は名和の美術的な意向が強く反映されているように感じた。 ジャレの他の作品を観てみないと断言はできないが。
銀粉を纏ったダンサーのゆっくりした動きは、まるで異星人のようだ。 銀という色は宇宙を連想させる。 銀は未来、金は過去の象徴だ。 未来の人間はエイリアンとなり、暗い銀河を彷徨う存在になるのだろうか? 舞台を観ながら、そんな想像が浮かんできた。