■チェーホフを待ちながら

■原作:アントン・チェーホフ,脚本・演出:土田英生,出演:山内圭哉,千葉雅子,金替康博ほか
■神奈川芸術劇場・大スタジオ,2025.11.12-16
■チラシには「チェーホフの初期一幕劇、「熊」「煙草の害について」「結婚申込」「余儀なく悲劇役者」を大胆に潤色し、オムニバス形式で上演・・」とある。 これら4作は未見のため興味をもってチケットを購入した。
一幕劇の合間に挿入される寸劇がユニークだ。 旅人らしき人々がアントンを待っているところへ、ゴドーと名乗る男が現れる。 そして旅人たちは夫々の一幕劇を演じ始める・・。
4作品はいずれも喜劇で笑いが途切れることはない。 背景は現代に置き換えているが、しかし笑いの源泉はどこか時代遅れに感じられる。 おそらく19世紀末の日常を描き直しているからだろう。 そのため作家名を伏せればチェーホフ作品とは気づかない。 舞台は肩の力を抜いて楽しめるが、同時にどの作品も時代の狭間を漂っているようにみえた。
終幕、一幕劇を演じた旅人らはゴドーと共に、アントンを探しに道の先へと進んでいく・・。 ゴドーとアントン、宙吊り感覚が好きな二つの名前は、寸劇のように重なっていくのかもしれない。
*まつもと市民芸術館プロデュース作品
*「ブログ検索」に入れる語句は、土田英生  ・・検索結果は6舞台