■ニューヨーク・シティ・バレエinマドリード

*下記□の3作品を上映.
□セレナーデ■音楽:P・チャイコフスキー,振付:ジョージ・バランシン
□スクエア・ダンス■音楽:A・コレッリ,A・ヴィヴァルディ,振付:ジョージ・バランシン
□ザ・タイムズ・アー・レーシング■音楽:D・ディコン,振付:ジャスティン・ペック
(3作共に出演:ニューヨーク・シティ・バレエ団,指揮:クロチルド・オトラント,アンドリュース・シル,演奏:レアル劇場管弦楽団)
■NHK,2025.10.20-(マドリード・レアル劇場,2023.3.23-25収録)
■「セレナーデ」はチャイコフスキーらしい旋律に沿った作品である。 彼のバレエ作品には寂しさが漂う。 ここが好きな理由なのだが、当作品は違い、温かみを感じさせる。 象徴的な場面もあり神秘的な雰囲気が印象的だった。 3作の中では最も心に残り、バランシンのロシア時代を思い起こさせる。
「スクエア・ダンス」は時代が遡る。 バランシンのニューヨーク時代の作品にちがいない。 彼の得意とする「プロットレス・バレエ」の典型と言えるだろう。
「ザ・タイムズ・アー・レーシング」は現代的な感覚に満ちている。 「ウエスト・サイド・ストーリー」を軽快にアレンジしたような印象を受け、振付家ジャスティン・ペックらしい斬新さが際立っていた。
ニューヨーク・シティ・バレエ団を観るのは数十年ぶりだ。 団は2023年秋に創立75周年を迎えたと知り、今回は創立者の一人である振付師ジョージ・バランシンを讃える意味合いも込められているのかもしれない。