■能楽堂七月「蝸牛」「船弁慶」

*国立能楽堂七月ショーケース公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・蝸牛■出演:山本凛太郎,山本則秀,山本秦太郎ほか 
□能・観世流・船弁慶■出演:奥川恒治,坂賀子,則久英志ほか
■国立能楽堂,2025.7.28
■今日の体験コーナーは笛と太鼓だった。 観客も若い人が目立つ。 「蝸牛(かぎゅう)」と「船弁慶(ふなべんけい)」も人気作品である。 「蝸牛」は素直な心で観ると楽しい。 騙された主人が、太郎冠者と歌い踊る終幕はなんともいえない素朴な哀楽が感じられた。
「船弁慶」は何度みても面白い。 義経を子役にするのは静御前との性の関係を薄める為らしい。 プレトークで観世喜正がこう話していた。 なるほど。 子役も昇華方法の一つだ。
肉体の昇華こそ舞台芸術の真髄だろう。 役者や踊者は自身の肉体を昇華し芸術的感動を如何に呼び寄せるか! これに全てが係っている。
いや、今日も暑い。 千駄ヶ谷の夏空のなか、羽田空港に着陸する飛行機がひっきりなしに通過していく。 面は「増(ぞう)」から「怪士(あやかし)」へ。