■能楽堂七月「棒縛」「葵上」

*国立能楽堂七月ショーケース公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・棒縛■出演:奥津健太郎,野村又三郎,野口隆行 
□能・観世流・葵上■出演:小早川修,鵜澤光,大日方寛ほか
■国立能楽堂,2025.7.26
■ホールでは能面や衣装の体験コーナーが開催されていた。 先日より客層の年齢が下がった感じだ。 「棒縛(ぼうしばり)」と「葵上(あおいのうえ)は人気作品と言われている。
ところで座席ディスプレイに現代語訳を表示できたので覗いてみる。 字幕を見始めると舞台が遠のいてくのがわかる。 翻訳文字が役者から声と言葉を分離させてしまうからだろう。 声と言葉(声に乗ってくる詞章)が耳に直接伝わらないと舞台のリアルを感じ取ることができない。
日本語でもこうなるから外国語は尚更だ。 字幕を介したときに起こる疑問、母語の人々はこの舞台をどう感じているのだろうか? この答を知ることはできない。 結局、どこかで妥協するしかない。 それだけ母語は強い。
面はシテが「泥眼(でいがん)」から「般若」へ、ツレは「小面(こおもて)」。