■演劇島
■台本・演出・美術:佐藤信,振付・出演:竹屋啓子,出演:櫻間金記,龍昇,内沢雅彦ほか,劇団黒テント
■座高円寺,2024.11.8-12
■ドラマリーディングに近い? 上演テキストは演出家が馴染んだ30作品から選んでいるようです。 その台詞をコラージュにして喋り演じる。 数分ごとに作品が入れ替わっていく。 このため集中力が必要です。
特に「金島書」「テンペスト」「地がわれらを圧迫して」を構成の柱にしているらしい。 テンペストしか知らないがコラージュのため気にならない。 しかし幾つもの物語断片が一つにまとまっていく流れは見え難い。
ゴダールの「映画史」を真似て「演劇史」だと演出家が言っていたが、どれだけ作品を観ているかが勝負になるのかもしれない。 よく知る「ゴドーを待ちながら」の場面でそう考えてしまった。 観る側に厳しい舞台ですね。
そのなかで能楽師櫻間金記とダンサー竹屋啓子の二人の絡み合いが面白い。 追放者役の櫻間は「私は世阿弥だった」「私はプロスペローだった」・・、後半になると「私は世阿弥ではなかった」「私はプロスペローではなかった」・・!? エアリエル役竹屋啓子も存在感ある塵になっている。 役者たちも皆熟れていて声も動きも整っている。
男女比は同じだが後期高齢者が目立つ客層です。 1970年代前後から黒テントを知っている者は皆この歳に入ったのですね。 この劇団は考えさせられる舞台が多い。 科白の裏に社会性が塗り込めてある。 今回もそうみえます。
ところで櫻間金記の科白「金島書」には字幕が必要です。 やはり聞き難い。 また作品の説明が映されたが、いま観客がそれを知っても舞台を分断するだけかもしれない。
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