■能楽堂十一月「仁王」「白楽天」

*国立能楽堂十一月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・仁王■出演:深田博治,野村万作,月崎晴夫ほか
□能・金剛流・白楽天(鶯蛙)■出演:廣田幸稔,宇高徳成,則久英志ほか
■国立能楽堂,2024.11.6
■「仁王(におう)」は負け続きの博奕打ちが仁王像に変装して参詣人から供物を巻き上げようとする話である。 参詣の一人が仁王の体を触ったが柔らかいので変装がばれてしまう。 仁王像の不動姿と参詣6人の揃いの動さが重なり合い舞台に面白いリズムを作り出していた。
「白楽天」は唐代の詩人白楽天一行が筑紫にやってくる。 しかし魚翁に化けた住吉明神に追い返されてしまう。 中国の詩と日本の和歌の違いを二人で披露するところが見所である。 一行の衣装が中国風で楽しい、それに歩き方も。  間狂言では鶯と蛙の精が来序して和歌を謡い舞を舞う。 活き活きとした発声と動きが効いていた。 次の荘厳な真ノ序ノ舞と対比させて作品を活性化したからだ。 シテ面は「三光尉」から「石王尉」へ。 ところで大鼓が強くキンキン耳に響いた。 後半から慣れてきたが、唐からの一行のために盛り上げたのかな?