■能楽堂十一月「住吉」「空蝉」

*国立能楽堂十一月企画公演の□3舞台を観る.
□箏組曲・空蝉■箏:萩岡松柯
□箏曲・住吉■箏:萩岡松韻,岸辺美千賀,三絃:鈴木厚一,笛:福原徹彦
□復曲能・空蝉■出演:大坪喜美雄,安田登,高野和憲ほか
■国立能楽堂,2024.11.23
■箏組曲「空蝉(うつせみ)」は源氏物語「空蝉」「関屋」を基に六歌構成になっている。 物語に沿った歌詞で親しみ易い。 作曲は北島検校。
筝曲「住吉」は住吉大社への参詣を歌う。 作曲は山田検校。 筝の調べは空気が乾き引き締まる。 大陸風土を感じる。 そこに日本語の湿った発声が入り混じり独特な雰囲気が醸成されていく。 能楽の囃子も同じだろう。
復曲能「空蝉」は空蝉の霊を弔うシンプルな構成だ。 序の舞では久しぶりに恍惚感がやってきた。 シテの動きに雑音が無いからだ。 シテ面は「節木増」(満総作)。 鼻が少し大きく親しみを感じる。 でも源氏物語から想像する「空蝉」には似合わない。
*古典の日記念公演・特集源氏物語