■能楽堂九月「翁」「清経」「栗焼」「山姥」

*国立能楽堂九月公演の□4舞台を観る.
□観世流・翁■出演:観世清和,野村萬斎,観世三郎太ほか
□能・観世流・清経(恋之音取)■出演:大槻文藏,大槻裕一,福王茂十郎ほか
□狂言・和泉流・栗焼■出演:野村万作,野村太一郎
□能・金春流・山姥(波濤ノ舞)■出演:金春安明,金春憲和,飯冨雅介ほか
■国立能楽堂,2023.9.6
■今日の客の年齢はいつもより15歳若い。 その老若男女の比もばらけている。 40周年記念公演で出演者もピカイチのためか? 「翁」は素晴らしかった。 力強く切れ味の良い千歳ノ舞、揉ノ段、鈴ノ段は特に気に入る。 面は「白色尉(はくしきじょう)」と「黒色尉」。 作家名が記されていた。 有名な面らしい。
「清経」は笛方の秘事と言われている小書「恋之音取」が入った。 シテの出が吹奏にあわせ10分もかかる。 この作品は<夫婦の哀話>と<世の無常>を表現していると言われているが、小書により前者に傾いてしまった。 後者に傾く演出の方が好きなのだが。 シテ面は「中将」ツレが「小面」。 「栗焼」の太郎冠者は無駄のない淡泊な芸で舞台が濁らない。 「翁」を含めて今日は世襲の力も感じる。 「山姥」に入ると(私に)疲れが出てしまった。 世阿弥に出会った時のいつもの高揚感がやってこない。 心身がオーバーフローしてしまった。 情報過多の時代、続けて観るのは狂言を挟んで3作品が限界だろう。
*開場40周年記念公演