■舞台神聖祭典劇 パルシファル

■作曲:R・ワーグナー,演出:ジェイ・シャイブ,指揮:パブロ・エラス・カサド,出演:アンドレアス・シャーガー,エリーナ・ガランチャ,ゲオルク・ツェッペンフェルト他,演奏:バイロイト祝祭管弦楽団
■NHK・配信,2023.9.10-(バイロイト祝祭劇場,2023.7.25収録)
■演出がMIT教授のジェイ・シャイブということで早速観ることにしたの。 しかも拡張現実を使用するらしい。 でも場内の観客を見ても3Dメガネを掛けているようには見えなかった。 観始めて5分も経てばそのことはどうでもよい。 すぐに壮大な物語にのめりこんでいく・・。
・・でもいつもの調子に乗れない! この作品を自宅でみるのは初めての為かな? 全体より部分が強調されてしまう。 劇場とは逆ね。 例えば2幕、クンドリとパルシファルのやり取りをじっくり受け止めてしまった。 もう一つは字幕のせいかな? 文字数が微妙に多い。 キリスト教信仰があれば処理できるはず。 でもこれができない。 意味や背景を考えてしまう。 この二つで言語的世界に近づいてしまい、いつものワーグナー的感動に浸れなかった。
舞台美術や衣装で驚きはあったが作品に寄り添っていた。 疲れ果てた世界を背に薄汚れた衣服をまとう歌手たち。 無難な発声のパルシファルやグルネマンツと、安定したソプラノのクンドリが「共苦して知に至る」・・。 演奏中の指揮者は汗だくのTシャツを2度着替えたがカーテンコールでは正装で登場。 4時間を中年力で乗り越えた。 ワーグナーは総合力で勝負ね。 いろいろあったけど楽しかったわよ。
*バイロイト音楽祭2023作品