■少女仮面

■作:唐十郎,演出:黒田瑞仁,主宰:崎田ゆかり,出演:永濱祐子,林純平,小川哲也ほか,劇団:ゲッコーパレード
■下北沢・OFFOFFシアター,2023.3.16-19
■隣の駅前劇場より狭いO FFだが、今日の舞台はアリーナ型上演のようです。 「(役者)一人ひとりの欲望が舞台上で飛び出してくれば・・」(主宰挨拶)。 型に似合った挨拶どおりの、ビックリするくらい飛び出てきた舞台でした。  
ゲッコーパレード? 変わった名前として記憶にぶら下がっていたが、劇団を観るのは今回が初めてです。 「・・人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」。 春日野八千代と少女はもとより、腹話術師と人形、水飲み男、ボーイ、・・、それぞれが夫々の瞬発力で輝いていました。
多くの役者が一度に登場しても存在感ある静止状態で狭い空間が縮まらない。 「作者との世代の隔たりは無視できず・・」(演出ノート)、唐系の劇団と違い戯曲を素直に展開していたように感じます。 作品に初めて接した人は何もない空間のため戸惑ったかもしれない。
この劇団は「一軒家という「演劇の上演を行う場所でない」場所で活動している・・」(演出ノート)。 普通に生活しているような住居なのか? 役者と観客が混ざり合ってしまう? 一軒家でいちど観てみたいですね。
作品が持つ俳優と観客(ファン)、そして劇場の俳優と観客、ほとばしる肉体、その昇華・・。 久しぶりの「少女仮面」でしたが、今日の舞台もカタルシスがやってきました。