■サド公爵夫人(第二幕)

■作:三島由紀夫,演出:鈴木忠志,出演:佐藤ジョンソンあき,齊藤真紀,鬼頭理沙ほか,劇団:SCOT
■吉祥寺シアター,2022.12.16-24
■2019年に当劇場で観ています。 また、みてしまいました。 ある種の耽溺性に陥りそうですね。 前回は4人の関係が分からず上滑りをしてしまった科白が今回はビシビシと我が身体で受け止めることができました。 サン・フオン伯爵夫人の登場で緊張が高まり、サド公爵夫人ルネと母モントルイユ夫人のすれ違いで幕が降りる。 張り詰めた劇的状況が途切れない。
国際演劇評論家協会日本センター会長本橋哲也と演出家鈴木忠志のアフタトークを聞く。 「4人の俳優の弛まぬ集中力はどうして生まれるのか?」。 最初の質問に鈴木忠志の答えは戦後日本の歌謡曲から始まる。 でも話題が広がり聞き役も手に負えなくなってくる。 ヤクザ映画、ギリシャ演劇やヨーロッパ公演、そして「なぜ利賀に行ったのか?」の理由に集約されていく。 この舞台は演出家の戦後からの累積された成果だと改めて感じさせられます。
当上演チラシに菅孝行、渡辺保、大澤真幸の評論が数行だが掲載されている。 アフタトーク後に再度読み返すとナルホド!、的を得ていて合点しました。