■夜明けの寄り鯨

■作:横山拓也,演出:大澤遊,出演:小島聖,池岡亮介,小久保寿人ほか
■新国立劇場・小劇場,2022.12.1-18
■斜めに吊るした大鏡が舞台床に描いた海を写している。 波や鯨は浮世絵風です。 舞台美術が気に入りました。 物語もどこか浮世絵風です。 巷ではよくある。
寄り鯨の意味がわかりました。 ところで捕鯨是非の議論が活発にされるが食文化のある日本では深まらない。 是は仏教の見方に行き着くような気がします。 非は感情的な話でよく分からなかった。 元を辿ればキリスト教的な背景があるのかもしれない。
ゲイの話もある。 ある環境下での若者の同性愛は一時的に見られます。 それは自然に卒業していく。 また想像豊かな緻密な絵を描く男子もよくいる。 詳細なロボットや鉄道線路、都市を描きそして地図を描く・・・。
面白い地図を描きゲイ疑惑のクラスメイト、ヤマモトヒロシが旅先で失踪してしまう。 たぶん周囲の保守的な煩い女性たちから逃げたかっただけでしょう。
ヤマモトヒロシに深い理由はありません。 真剣な顔をしていたが、本人はそう言っている(ようにみえた)。 喜怒哀楽の感動、人知を超えた衝撃、ある種の不思議さ、等々も無い。 よくある若者のすれ違いです。 浮世絵演劇と言ってもよい。
*NNTTドラマ2022シーズン作品