■能楽堂十二月「素袍落」「逆矛」

*国立能楽堂十二月定例公演の□2作品を観る。
□狂言・大蔵流・素袍落(すおうおとし)■出演:善竹彌五郎,大藏彌太郎,大藏吉次郎
□能・観世流・逆矛(さかほこ)■出演:梅若紀彰,宮本健吾,馬野正基ほか
■国立能楽堂,2022.12.7
■「素袍落」で太郎冠者は伯父から門出の酒を振る舞ってもらう。 その深酔いの演技が奥深い。 5杯は飲んだろう。 腰も目も据ってしまった。 年季の入った伯父のおおらかさもなかなかだ。
「岩船」を観てから脇能の面白さを知った。 「逆矛」も期待を裏切らない。 7人も登場する。 後場は天女のリズミカルな舞、次に瀧祭明神の力強い舞。 その対比が素晴らしい。 両者の面は小面と天神、前シテの老人は子牛尉(こうしじょう)。 小書「替衣装」「白頭」が付いているから衣装も申し分ない。 とてもリッチな舞台だった。 贅沢な時を過ごした気分だ。 ところでワキの科白に力が入りすぎて棒読みに感じられた。 脇能では時々見受けられる。
今日は外国からの団体客数十人が来ていた。 先日は女子高生の団体をみた。 劇場もウイズコロナの段階に入ったようだ。