■エドガール

■原作:アルフレッド・ド・ミュッセ(「杯と唇」),台本:フェルディナンド・フォンターナ,作曲:ジャコモ・プッチーニ,指揮:アンドレア・バッティストーニ,出演:樋口達哉,大山亜紀子,成田伊美ほか,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団,二期会合唱団
■Bunkamura・オーチャードホール,2022.4.23-24
■セミ・ステージ形式オペラなの。 この形はオペラに一番似合うはずよ。 指揮者と奏者が舞台に登り歌手と<三位一体>になり観客身体へ迫ってくるから。 ピット演奏の音質との違いもよく分かる。 そして少ない演技で歌手は歌唱により専念できる。 背景の垂幕に印象派系の絵画を映し出し物語を修飾するのも巧い。 その背後に写る合唱団の位置も良い。 申し分のない舞台だった。
公演が一回のため歌手たちはとても張り切っていたわね。 物語は14世紀オランダの長閑な村の、男女四人のダブル三角関係かな? エドガールが愛人ティグラーナに宝石をちらつかせて嘘の証言をさせたのは酷い、彼女の本心がどうであれ。 そしてエドガールの棺をウクライナ国旗で覆った時は現実に戻されてしまった! これは異化効果もある。 映画音楽を聴いているようなパートもあり、重唱が深くなるほど混沌としてくる。 初めての作品で驚きがいっぱいね。 楽しかったわよ。
*二期会創立70周年記念公演
*東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ