■ばらの騎士

■作曲:R・シュトラウス,指揮:サッシャ・ゲッツェル,演出:ジョナサン・ミラー,出演:アンネッテ・ダッシュ,妻屋秀和,小林由佳,与那城敬ほか,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
■新国立劇場オペラパレス,2022.4.3-12
■ミラー演出でこの作品を観るのは3回目かな。 プログラム掲載の演出家ノートを今回初めて読んだの。 「・・(登場人物たちが)時代の大変動を薄々感じている。 しかし先のことはわからない・・」。 1911年初演で18世紀の世界を描いたこの作品を、当舞台は1912年に設定し直した演出にしているのね。
初演時1911年の3年後には第一次世界大戦が勃発している。 時代の変化に気づいている元帥夫人。 それは彼女自身の身体の衰えから、愛する人の離散の予感から、貴族社会の崩壊からみえてくる。 彼女が持つ倦怠感、退廃感はやんわり伝わってきたわよ。
一幕はこの雰囲気が感じられる。 でも二幕、三幕はコミカルが強すぎて混乱してしまった。 歌唱中はともかく、日本人歌手たちの動作表情が細かすぎるからだと思う。 おおらかさが不足している。 オクタヴィアンは逆に直立不動になってしまった。 過去の舞台では気にならなかったけど・・。 オックス男爵、オクタヴィアンの出演者変更も影響しているとおもう。 初演と同じように現代も先のことは分からないと言うことね。
*NNTTオペラ2021シーズン作品
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