■フィガロの結婚、庭師は見た!

■作曲:W.A.モーツァルト,指揮:井上道義,演出:野田秀樹,出演:ヴィタリ.ユシュマノフ,ドルニオク綾乃,小林沙羅,大山大輔ほか
■東京芸術劇場.コンサートホール,2020.10.30-11.1
■これは楽しい! 2幕に入りリズムもシンクロしてきて終幕まで一気通貫だった。 歌唱は日本語から次第にイタリア語が多くなっていくけど時々日本語が混ざるの。 この流れは自然体のよう。 伯爵を中心にした騙し合いが此れ程まで男と女の核心に迫っていくとは驚きね。 
会場はコンサートホールのためオーケストラピットが無い。 客席を利用したので指揮者と楽団の動きがよくわかる。 歌手と演奏のタイミングも肌で感じることができた。 途中、役者と指揮者の掛け合いが入ったが同じ位置づけがいいわね。 オペラにピットはいらない。 演奏者は観客からもよく見えるように考えて欲しい。
ところで、終幕に炬燵と土鍋がでてきたけど、これはちょっとやり過ぎじゃないかしら? 特にオペラは本筋から離れた小道具で失敗することが多い。 一瞬のあいだ日常に戻されてしまうからよ。 演出家もここまできて集中力が落ちてしまったのかしら? 突飛なことを考えないで素直に進めればよかったと思う。 これ以外は、カーテンコールでは野田秀樹も登場して盛り上がったし、パーフェクトだったわよ。
*東京芸術劇場30周年記念公演
*東京芸術劇場シアターオペラvol.14