■タウリスのイフィゲニア

■作曲:C.W.グルック,指揮:パトリック.サマーズ,演出:スチィーヴン.ワズワース,出演:プラシド.ドミンゴ,スーザン.グラハム,ポール.グローヴス他
■東劇,2019.8.19-20,9.17-18(MET,2011.2.26収録)
■1幕初め、イフィゲニアの歌唱で時間が遡り両親の殺害やギリシャ悲劇の多くの場面が脳裏に浮かび始めるの。 演出家ワズワースはインタビューでそのように仕向けたと言っていたわね。
コロス衣装が暖色系でブリューゲルの農民風景を思い出させてくれる。 ダンスもあるからよ。 でもそれは一瞬だけ、主人公たちの黒系衣装が物語に戻してくれる。 
ナタリ・デセイのインタビューがやらせ見え見えで楽しい。 スーザン・グラハム、プラシド・ドミンゴは共に風邪を引いているようね。 彼女はメゾソプラノでよかったと言っていた。
歌詞に反復が多いが振幅があるからリズミカルでない。 グルックは初めてだけど素朴の中に豊かさが感じられる。 牢獄や生贄台があるギリシャの中心は悲劇だけど周辺は長閑なはず。 どちらも取り込んでいた演奏に聴こえる。 姉と弟が再会した終幕のダンスもホッとさせてくれた。 スタッフ特に演出家がグルックを上手に料理した舞台だった。
*METライブビューイング2010作品
*作品サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2010-11/#program_0あるけど7