■ワルキューレ

■作曲:R.ワーグナー,演出:キース.ウォーナー,指揮:アントニオ.パッパーノ,出演:スチュアート.スケルトン,エミリー.マギー,ジョン.ランドグレン,ニーナ.シュテンメ他
■TOHOシネマズ日比谷,2019.1.11-18(コヴェント.ガーデン,2018.10.28収録)
■一幕「館の内部」は緊張感に満ち溢れ呼吸をするのも忘れてしまった。 歌唱と歌唱の間にも劇的さが現れていたわね。 美術や照明も言うことなし。
音響設備も良かった。 多くのライブビューイングはノッペリした大きな音でどうしようもない。 今回は絞り込んで生の劇場で聴く音に近づいていた。 技術的にはもっと良くなるはずよ。 舞台と客席の距離感を感じさせることも必要ね。
昨年再見のMET「トリスタンとイゾルデ」のニーナ・シュテンメ、スチュアート・スケルトンが登場。 今日のニーナは声に張りがでていた。 船底にいるイゾルデから天空を飛び回るブリュンヒルデに変身したからよ。 そして目に十字傷のヴォータンがまた楽しい。 切傷は曝け出すことで内面の強さと弱さを表現できるの。 眼帯はダメ。 インタビューで「・・この作品はリア王だ」と批評家が言っていたけど3幕のヴォータンは「リア王」以上だった。 全幕を通して現代までを貫く夫婦・親子・兄妹・姉妹の人間関係が濃密で感情豊かに立ち現れていた。 ROHのワーグナーは独特の温かみがある。
*ROHロイヤル.オペラ.ハウスシネマシーズン作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/89252/