■卵を立てることから-卵熱ー

■演出:天児牛大,音楽:YAS-KAZ,吉川洋一郎,出演:山海塾
■世田谷パブリックシアター,2018.6.1-3
■この作品は一度観ている。 殆んど記憶に無いが、卵が割れダンサーが水しぶきをあげて走り回る場面は忘れられない。 今回観て、水を張った床での演技時間が長いのに驚く。 濡れて肌に纏わりついた衣装はいつもと違った身体が浮きでて面白い。 「彼方から」「彼方へ」で声をあげるのも効果的だ。
飾りで置いてある卵は混乱する。 エイリアンを思い出してしまった。 ・・! 卵は一つが集中できる。 そして卵と水の関係が不安定で何方付かずだ。 落ちてくる砂も違和感があった。 有名作品のため多くを取り込み過ぎたようにみえる。 むしろ「卵>>水」か「水>>卵」のどちらかに比重を片寄らせた方が深みが出るのではないだろうか? 
衣装はいつもながら素晴らしい。 今回は太糸で編んだショールから肋骨姿で悟りに入っている仏陀を想像してしまった。 小さな梵鐘もあり仏教的な雰囲気を感じさせる舞台であった。
*劇場、https://setagaya-pt.jp/performances/201806-50139sankaijuku.html