■ソフィア・コッポラの椿姫

■原作:アレクサンドル・デュマ・フェス,作曲:ジョゼッペ・ヴェルディ,指揮:ヤデル・ビニャミーニ,演出:ソフィア・コッポラ,舞台美術:ネイサン・グローリー,衣装:ヴァレンティノ・ガラヴァーニ,出演:フランチェスカ・ドット,アントニオ・ポーリ,ロベルト・フロンターリ
■Bunkamura・ルシネマ,2017.11.25-12.8(ローマ歌劇場,2016.5.24収録)
■ヴィオレッタ役フランチェスカの健康的な椿姫が舞台を湿らせない。 再生を信じて聖母マリアの立ち姿で死んでいく終幕までブレなかった。 アルフレッド役アントニオは緊張していたけど二幕からは平常心に戻ったようね。 そして父親ジョルジョの存在が人体骨格のように物語を支えていた。
一幕パーティ場面はコッポラ「ゴッドファーザー」風の色彩と影のある照明から華麗な重みがずっしりと感じられる。 娘ソフィアと「バットマン」ネイサンのサクセスコラボね。 それにヴァレンティノの衣装が凄みを利かせている。 言うことなし! 
二幕は開放的な窓ガラスが印象的ね。 オペラは空を見せることが大事なの。 雲が移ろい陽の光りがゆっくりと傾いていくのはオペラに合う。 歌唱や演奏をより噛み締めることができるからよ。 後半、パーティの夜空で花火が咲くとは嬉しい。 そして空が白み始める夜明けの三幕は昇天しようとするヴィオレッタが天を見上げ立ち竦む形しか考えられない。 素晴らしい風景のうつり変わりだった。
字幕が柔らかく練られていて舞台を邪魔しなかったのは感動した理由の一つに掲げてもいいわね。 字幕を凝視するようなら失敗よ。 それとダンサーの衣装を周囲より明るくすれば踊りが一層映えたのに、少し残念ね。
*劇場サイト、http://www.bunkamura.co.jp/cinema/past/?y=2017
*「このブログを検索」コピペ語句、 ヴェルディ