■野田版・桜の森の満開の下

■原作:坂口安吾,演出:野田秀樹,出演:中村勘九郎,市川染五郎,中村七之助ほか
■歌舞伎座,2017.8.9-27
■奥の深い作品である。 壬申の乱の権力闘争の中にあの世の結界を破壊することを重ね合わせているからだとおもう。 此岸と彼岸を結ばないと芝居は深くならない。 境界にいる鬼たちを背に縦横に動き回る夜長姫。 右往左往する主役の耳男との言葉の遣り取りはやはり野田版だと納得できる。 観客に合わせてどのレベルでみても楽しめるようになっている。 横幅のある舞台での歌舞伎座公演は相乗効果でレベルの幅も広がる。 舞台美術は春爛漫で納涼歌舞伎にしては涼しさは足りないが豪華な舞台は暑さも形になる。
*野田地図サイト、https://www.nodamap.com/site/news/363