■花粉革命

■振付:笠井叡,出演:笠井瑞丈
■シアタートラム,2017.5.5-7
■笠井瑞丈のソロは初めてかもしれない。 振付が笠井叡の為か後半に両手を空に突き出すような仕草をみると父叡が踊っているようにみえた。 身体の動きも滑らかである。 前半の日本舞踊風ダンスも見応えがあった。 衣装が着物、黒、白と変わっていく面白さも加わり豊かな舞台になっていた。
この作品は2001年に当劇場で観ている。 オドロオドロした衝撃的舞台だったことを記憶している。 肉体が崩れていく前半と肉体が再生する後半で構成されていた(勝手な解釈だが)。 日本舞踊風の動きの中で簪や鬘が外れ帯が解け着物が脱げていく姿は当に肉体が崩れていく姿にみえた。 梵鐘の響きが今でも耳に残っている。 後半、山本耀司?の白衣装に着替え踠く姿はどうしようもない肉体を持った人間の再生への叫びである。
今日の舞台を観ながらもはやオドロオドロしさを求める時代は過ぎ去ったことを知る。 先日の夕刊で即興から振付を固定したとの記事を読んだ。 再び即興で踊る時、21世紀身体に革命前夜がやって来る。
*劇場、https://setagaya-pt.jp/performances/201705kahun.html