■ファーズ Fase  ■時の渦

■東京芸術劇場・プレイハウス,2017.5.2-6
□ファーズ Fase
■振付:A・T・D・ケースマイケル,音楽:スティーヴ・ライヒ,出演:A・T・D・ケースマイケル,T・ドルヴェン
■20世紀の匂いがする。 1982年の作品らしい。 細緻だが力強い。 非の打ちどころが無い。 鋼鉄の仕上がりと言ってよい。 ミニマル・ダンスをみていると覚醒か睡眠のどちらかが訪れる。 中途半端は無い。 今回は前者が訪れた。
□時の渦 Vortex Temporum
■振付:A・T・D・ケースマイケル,音楽:ジェラール・グリゼ,演奏:アンサンブル・イクトゥス,出演:ローザス・ダンサーズ
■演奏者6人が登場するがその演奏が素晴らしい。 舞台に集中していける。 そして演者は入れ替わりダンサー7人が音楽無しで登場する。 上半身の振付は古さがある。 奏者が再登場し演奏しながら共に踊る。 とはいっても歩くような動きである。 指揮者が加わり背景で演奏しダンサーは舞台狭しに踊る。
演奏→ダンス→演奏+ダンス(混在)→演奏+ダンス(分離)。 このような流れだったとおもう。 混在とは演奏者もダンサーと共に舞台で動き回ること。 ピアノも人手で動かす。 
演奏はともかくダンスはなんともいえない。 ダンサーと演奏者との関係性が意図的で意識し過ぎてしまう。 みる側は関係性を無意識にやり過ごしたい。 舞台を楽しめないからである。 ダンスの楽しさが無い楽しさとでもいうような舞台だった。
*劇場サイト、http://www.geigeki.jp/performance/theater141/
*2017.5.22追記、夕刊に乗越たかおの論評が載っていた。 「無音で踊るところは前場面の演奏をダンサーが各楽器ごとに対応し踊っている」。 これは気が付かなかった。