■ジュリアス・シーザー

■作:W・シェイクスピア,演出:蜷川幸雄,出演:阿部寛,藤原竜也,横田栄司,吉田鋼太郎ほか
■新宿バルト9,2017.5.13-19(彩の国さいたま芸術劇場大ホール,2014年収録)
■劇画を読んでいるような驚きがあり、新作歌舞伎を思い出したり、劇団新感線のゲキXシネを観ているようでもあり、鎌倉室町戦国時代の武士の心情をおもったり、等々飽きさせない仕掛けが山ほど入っている。 蜷川幸雄がエンタメ重視の舞台にこんなにものめり込んでいたとは驚きである。 昨年テレビで観た「元禄港歌」は36年ぶりの再演だったので近況が見えなかった。 
舞台はとても分かり易い。 観客がモヤモヤしているところは必ず言葉と態度で舞台で表現してくれる。 ブルータスとキャシアスの親密な友情も楽しい。 ただし後半の戦い場面は長すぎる。 ブルータスとアントニの演説は感動までには到達できない。 もっと緩急が必要だとおもう。
そして役者の声量があり過ぎアップも使い過ぎる。 激しいカメラワークでないと映画観客は喜ばないのかもしれないが。 とりあえず蜷川幸雄シアターもスケジュールに組み込んでいいだろう。
*一周忌追悼企画蜷川幸雄シアター作品
*劇場サイト,http://www.saf.or.jp/arthall/information/detail/575