■リアルリアリティ

■演出:矢内原美邦,劇団:Nibrollニブロール
■シアタートラム,2015.1.23-25
■移動できる白い壁で二方を囲った小さめな菱形の舞台である。 映像を多用するため白が目立つ。 幕開きから首つり映像が映し出されてびっくり! リアリティは無いが心に引っ掛かる。 ダンサーたちは重ね着をしているから動きが不自然である。 衣装を次々脱いでいく。 もはやダンスというよりパフォーマンスだろう。 そして映像が隅々にまで浸透してくる。 
後方に机が積み上げてあり机上の本や筆記具を次々捨て始める。 ダンサーたちが衣装箱から服や日常品を出し入れしている。 演出家がいつも目にしている物々に違いない。 アコーデオンや鹿の剥製もあるがこれは舞台サービスだろう。 モノの感覚は次第に無くなっていく。 最後は浮遊物のように天井から服の切れ端が漂い落ちてくる。
モノもヒトも社会も像と言葉しかないという実感が頭を過る。 チラシにあった作品コンセプトが上手く表現されていた為かもしれない。 感動は無いがいろいろ考えてしまう舞台であった。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2015/01/post_387.html