■桜の園

■原作:A・チェーホフ,演出:矢内原美邦,出演:ミクニヤナイハラプロジェクト
■にしすがも創造社,2014.11.13-17
■劇場前の空き地で役者が3組に分かれて喋り始めるの。 チラシにはどれか一組を観るようにと書いてある・・。 スピーカで演説もするのよ。 桜の木を切る切らないと揉めているようね。 きりの良いところで客は劇場内に導かれる。
舞台は木の葉が一杯に敷き詰められていて小さな池もある。 再び3組の役者が続きを始めるの。 木を守る会の会員、土地開発の社員、土地を売った地主?の三組のようね。 しかも地主には先祖の霊が取り付いてしまう。
神業のような早口で喋る台詞、激しいダンスのような動きで葉塵が舞い、入場時にマスクが配られた理由もわかる。 舞台を見続けているとある種の恍惚感が湧き出てくるの。
しかし三組の意見はまとまらない。 自然保護や生まれ育った土地の思い、都市開発など課題が盛りだくさん。 どれも反復が多くてしつこい感じがする。 つまり動きの恍惚感と言葉の執念深さが不調和をもたらすのね。
そしてこれは「桜の園」だったんだ!と回帰できる場面で終幕になる。 物量感ある舞台だったわ。 最初の野外上演があったことを忘れてしまったくらいだから。
*劇団サイト、http://www.nibroll.com/myp/sakura-no-sono.html