■フィガロの結婚

■作曲:W・A・モーツァルト,指揮:J・レヴァイン,演出:R・エア,出演:I・アブドラザコフ,P・マッティ,M・ペータセン,A・マジェスキ
■東劇,2014.11.15-21(MET,2014.10.18収録)
■「カルメン」(2012年)、「ウェルテル」(2014年)は演出の出来が良くなかった。 今回はより演劇的作品に近づけたから演出家リチャード・エアの迷いが吹っ切れた感じね。
時代は1930年代。 それにしても窮屈な舞台だった。 歌舞伎の回り舞台なら江戸の風景が楽しめるのに部屋の中を動き回っているだけ。 しかも背景に暗い壁がせまっているの。 逆に歌唱に集中できて物語が濃くなったのかもね。
歌手達も突出感がなくてまとまりがあった。 セクシーぽさもあったけどサッパリしていて重たくない。 モーツアルトのスピード感を出せた理由よ。 二幕途中は緩みが出たけど作者が欲張りすぎたからしょうがない。  
騙し騙され、嫉妬のエネルギーは復讐の喜びに直結し、神と悪魔、喜びと悲しみが同時に表現できるのはモーツアルトだからこそ。 楽しかったわ。 フィガロとスザンナより伯爵夫婦の印象が強く残った作品だった。
*MET Live Viewing2014作品
*主催者サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2014-15/#program_02