■マニラ瑞穂記

作:秋元松代,演出:栗山民也,出演:千葉哲也,山西惇,稲川美代子ほか
新国立劇場・小劇場,2014.4.3-20
前半は状況説明で終わってしまったようにみえました。 フィリピン史など背景を知らないと物語に到達できない歯痒さがあります。 九州地方?の方言も舞台を豊かにしていましたが聞き取れなくてイマイチ流れにのれません。
観後にからゆきさんを調べたら明治時代が最盛期だったことも驚きです。 しかしナゼ多くの日本人が命懸けでフィリピンで生活や仕事をしたのか舞台をみても納得できなかった。 日本の行方を案じる国家正義がすべてを覆い隠してしまったからでしょう。
日本領事館から出られない女衒とからゆきさんでは限界があります。 領事館の外の話は説明のようになってしまうからです。 革命軍兵士や米兵とからゆきさんの恋愛も付け足しです。 群集劇の難しさですかね。
ところでシズが登場するとキーンと高音が鳴るのは何でしょうか? 終幕に秋岡が女達の声が聞こえると動揺する場面が有りましたが、この声と同じなのでしょうか? とするとシズは初代からゆきさんなのでは?
手ぶらで劇場に行くのが好きですが、これを許してくれない芝居でした。 追記ですが領事館長高崎が流れに乗った滑らかな動きと喋りで舞台をまとめていたのが目につきました。
*NNTTドラマ2013シーズン作品