■ぬれぎぬ

作・演出:広田淳一,出演:アマヤドリ
■シアタ風姿花伝,2014.4.1-23
殺人犯を反省に導く仕事をしている更生相談員が主人公である。 妻も同じ仕事をしている。 その仕事場面での反省をしない殺人犯との遣り取りに引き込まれてしまった。 なぜ人を殺してはいけないのか?が議論される。
逆に殺される立場になったらわかる。 相手の身に成り切ることも必要だろう。 しかも殺人は抑圧下での出来事である。 殺人者にはこの深い抑圧を解かないと反省もできないはずだ。 などなど考えながら観てしまった。
そして妻の妊娠中絶を知った殺人犯は態度を少し和らげる。 ・・。 「悪と自由」三部作の第一作とのことである。 中絶迄描いたから次作は法や国家そして近代システムや戦争へと拡張するのかな? でもチラシを読むと次作も巷の話になりそうだ
舞台は特区?とかがあって死刑や婚姻制度などが崩壊しているようだ。 都合が良すぎる背景である。 物語構築は自由になるがその分テーマが複雑になり観客が混乱してしまう。 もっと<抑圧>をかけないとリアルな<悪と自由>が描けないだろう。