■マリア・ストゥアルダ

■作曲:G・ドニゼッティ,指揮:M・ベニーニ,演出:デイヴィッド・マクヴィカー,出演:J・ディドナード,E・V・D・ヒーヴァ
新宿ピカデリ,2013.2.9-15(MET2013.1.19収録)
イングランド女王のエルザ・V・D・ヒーヴァがとても似合っていた。 MET初出演がよかったのね。 新鮮さやギコチナサが不安や神経質さを招き寄せ、それが歌唱や顔に政治や宗教の深みとなって表れていたからよ。
二重唱の連なりが対話の流れになり物語が進んでいくの。 エリザベッタとレスタ、レスタとマリア、そして一幕終わりのエリザベッタとマリアの対決。 演出家マクヴィカーの言う「演劇としてのオペラ」の実例そのものだわ。
二幕は全てが処刑台に向かう準備だけど、対話は途切れない。 死ぬ心構えや覚悟の話が続くからとても重たい。 でも終幕でのエリザベッタを許すところは突飛過ぎて感動から外れてしまったようにみえる。 しかしこれがなければヨーロッパの宗教舞台は終われないはず。 役者が役柄と噛み合っていたので「アンナ・ボレーナより面白かったわ。
*METライブビューイング2012作品