■皇帝ティートの慈悲

■作曲:W・A・モーツァルト,指揮:H・ピケット,演出:J=P・ポネル,出演:E・ガランチャ,G・フィリアノーティ,B・フリットリ
新宿ピカデリ,2013.1.5-11(MET,2012.12.1収録)
構造は喜劇で内容は悲劇に向かうからギクシャクしているのね。 でも最後は中庸に到達。 物語がつまらない理由は二つあるわ。 皇帝ティートが最初から寛容だから、そしてセストの反乱動機がほんとうは不明だから。
それだけモーツアルトは追い詰められていたのね。 一人ひとりの人物に彼の苦しみが乗り移っているの。 でも二人のズボン役でモーツアルトの純真さを蘇らせている。 音楽も彼の人生が累積しているように聞こえる。 清楚な作品だった。
*METライブビューイング2012年作品