■ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。

作・演出:藤田貴大、出演:マームとジプシー
三鷹市芸術文化センター・星のホール、2012.9.7-17
家を解体する話です。 その家族や隣人が家にまつわる歴史や人間関係を語っていきます。 しかし独特な舞台が現前します。 セリフを声に出す時にカラダもそれに合わせています。 これは他劇団でも見かけますが大げさどころかダンスに近い感じです。
しかもセリフを段落単位でデータ処理、つまり並べ替え・併合や結合・判断そして反復などの演算操作、を施しているのです。
この二つを持って舞台は進行しますが、徐々にエントロピーが増大するかのように崩れていきます。 つまり言葉と身体の演算操作とエントロピーの増大で劇的感動を求めようとしているようです。 この時煙幕が張られるのもこれを意識しているからです。
しかしこの感動は少し弱いようにみえますね。 理由は科白を発する役者の身体が華奢な為です。 役者が雑に喚き動いているだけ。 だから祖母の話や妹が家を出る時の決心などの精神面が目立ってしまったのです。