■DANCE to the Future 2012 ダンス・トゥ・ザ・フューチャー

■振付:平山素子,出演:新国立劇場バレエ団
■新国立劇場・中劇場,2012.4.21-22
■題名の「Ag +G」は原曲から来ているようだ。 ヴァイオリンはダンサーと物語をあからさまに選ぶ。 金属的衣装が錆ついてしまうような音楽だ。 重たい雰囲気も感じられるが、男性ダンサーの体格の良さや頭巾を被ったのも一因かもしれない。
倒れ方や彷徨い歩く姿など、日常よくみる振付で構成されている。 「Butterfly」はこれに青春が加わり音楽は軽くなっている。 しかしニ作品とも非日常へ向かわない。 このため観ていて肉体を解放できない。
最後の「兵士の物語」は生演奏がとてもいい。 しかし「ストランヴィンスキ・イブニング」のような物語に感動する強さがみられない。 三作とも疲労感のある後味だった。 演出家の言っているコンセプトが霞んでしまっている。
平山素子の演出はとても複雑だから、この疲労感が誰がどこから出しているか分からない。 ひょっとして観客のオレ!?
*チラシ、http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/pdf/20000461.pdf